まごころ居宅介護支援事業所
POSTED.2023.11.17
「失礼させていただきます」
みな様こんにちは、まごころケアマネジャーです。
11月も半分が過ぎ、晩秋・初冬のこの時期は菊の見頃ですね。
写真の菊は、私の担当している来月99歳を迎えられる女性の手によるものです。
「元気で長生きしていられるので好きなことをしていられるのかな」
いつもそう話され、逆もまた真なりですよと思いながら聴いています。
50年以上も菊の栽培を続けてこられ、さすがに近年規模は縮小されましたが
毎年見事な菊を咲かせられています。敬服の至りです。
さてケアマネジャーとして日々言葉を使うお仕事をしていますと、この「敬服の至り」のような尊敬表現にも気を遣います。まして普段お話しするのは私よりもずっと年齢の高い方がほとんどですので、言葉の選び方にも配慮しています。
ところでみな様は「させていただく」という表現について何かお感じですか。
20年程前社会福祉協議会の職員だった頃、上司が住民様相手によくこの言葉を口にしており
何か引っかかるものを感じながら聞いていました。
・こちらの一方的な決定なのに、さも相手の了解を得てしまっているかのよう、
・こちらがへりくだり過ぎるあまり、相手が断りにくい状況にしてしまっているかのよう、
改めて考えるとこんな印象を持っていたのかなと思うのですが、少しこの言葉の正しい使い方を調べてみますと
①相手または第三者の許可を得ている
②そのことで自分自身が恩恵を受ける
の二つの条件を満たす必要があると、文化庁が指針を出しているそうです。
そんな指針があること自体驚きましたが、そう言われると私の引っ掛かっていた点が何となく説明がつきそうな気がします。
例えば、不祥事を起こした芸能人が記者に詰問され「コメントを控えさせていただきます」と逃げる場面。あたかも、視聴者や記者のみな様に了解を得て何も答えないのですよ、と言っているかのよう。また夫婦喧嘩で「実家に帰らせていただきます!」。言葉面は丁寧でも相手に有無を言わさないような。取引先に電話で「お熱出させていただいたので、今日の打合せはお休みさせていただきます」、ここまでくると笑えます。こんな印象を感じますが、実際に誤用の多い敬語として論文も出版されているそうです。
一見丁寧で相手に好印象を与える便利な言葉のようですが、へりくだり過ぎると却って横柄にも取られかねませんね。これは何も「させていただく」に限ったことではなく、敬語全般に言えることかも知れません。やはりお話しする相手に合わせた言葉を選ぶということも、ケアマネジメントを行う上で大切な「個別化」ということにつながるのだと思います。
では今回はこの辺で失礼させていただきますいたします。