訪問リハビリテーション まごころ
POSTED.2025.08.01
その痛み、本当に神経痛?
こんにちは。
滋賀県甲賀市にあります“まごころリハビリテーション部”です。
今日は、所謂”神経痛”についてお話ししていきたいと思います。
「神経が圧迫されると痛い」という言葉、よく耳にしますよね。
坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症…。
これらの診断を受けた患者さんからも「神経が押されているから痛いんです」と言われることが多いです。
しかし、実はこの「神経圧迫=痛み」という考え方には注意が必要です。
カナダの脊椎外科の権威 I. Macnab の研究によると、
「健常な神経根をピンセットで圧迫しても、その支配領域に痛みは起こらず、しびれ(paresthesia)のみが現れる」という報告があります。
つまり、神経がただ「圧迫されているだけ」では痛みは出ず、
起こるのは“しびれ”や感覚異常がメインということです。
この事実は日本の専門書である『脊髄・脊椎ジャーナル』や『神中整形外科学』でも明記されています。
痛みを「圧迫だけのせい」と考えると、手術や牽引など“物理的に圧迫を取る”ことばかりに意識が向いてしまいます。
結果、「痛みの原因でない無意味な治療を受けたり、手術をしても痛みが残り、より痛い思いもする」と言った不利益を生んでしまいます。
「本当に神経圧迫が痛みを起こしているのか?」
この視点を持つことが非常に大切ですね。